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福島第1原発 避難長期化 双葉郡 「仮の町」 いわき困惑

福島第1原発 避難長期化 双葉郡 「仮の町」 いわき困惑

 東京電力福島第1原発事故で、避難の長期化を余儀なくされている福島県双葉郡の自治体が、同県いわき市などに設置を考える「仮の町」構想。だが受け入れ側の渡辺敬夫市長は「自治体や国、県から話がないまま報道が先行している」と困惑を隠さない。平野達男復興相は9日、同市を訪れて市長と会談し、制度設計協議への参加など市側の要望に応える姿勢を示し理解を求めた。前例のない「仮の町」設置には受け入れ側の事情というハードルも待ち受ける。【中尾卓英】

 「除染を含めて『いつまでに戻れるのか』というロードマップ(行程表)がなければ受け入れられない。双葉郡の首長からも全く話は聞いていない」

 会談の冒頭、渡辺市長は声を荒らげ、知らぬ間に構想が進むことへの不満をあらわにした。平野復興相は「避難者受け入れ支援に感謝したい」と矛先を変えつつ▽行程表作成に向けた住民意向調査▽双葉郡の町、県、国に同市も加わり、仮の町の制度設計を話し合う--ことを約束した。

 双葉郡に隣接する同市に「仮の町」設置を検討しているのは、同郡の浪江・大熊・富岡3町など。3町は県内外に役場機能を移転した一方、同市の仮設住宅や借り上げ住宅などには3町を中心に約2万3000人が避難している。また、同市には楢葉町が役場機能を置くほか、大熊、富岡、浪江、広野各町の出張所もある。

 3町は避難区域の再編で、長期にわたり立ち入りができない「帰還困難区域」(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)などへの見直しが予想される。災害復興住宅を核に教育・商業施設などを集約する「仮の町」構想には避難長期化を前提に、町民のコミュニティーの維持を図り、除染後の帰還につなげる狙いがある。

 しかし、自治体の中に他自治体があるという「仮の町」は地方自治法に規定がなく、新たな制度設計が必要だ。被災者が長期避難を強いられた東京都三宅島噴火(00年)や新潟県中越地震(04年)など過去の災害でも例がない。

 帰還を前提とするだけに、転出希望者も含む住民の意向集約も課題だ。

 ◇受け入れ市民に負担

 いわき市が困惑する背景には「市民の中にも感情的な問題が出てきている」(渡辺市長)ことがある。巨大地震と津波の被災地である一方で、原発事故に関しては避難者を受け入れて支援する役割を背負っているためだ。

 同市は震災の死者・行方不明者が347人に上り、民家7777棟が全壊した。県内市町村別で死者・不明者は3番目、全壊棟数は最も多い。4月の余震被害や半壊なども加えれば、民家被害は被災地全体で見ても仙台市に次ぐ8万棟に達する。ところが、双葉郡住民の仮設住宅や「仮の町」設置などを巡っては、支援する役割ばかりが注目されているのが現状だ。渡辺市長は「国も県も『いわき市が被災した』という認識が希薄」と訴えた。

 また、避難者の借り上げ住宅需要などのため賃貸空き物件が減り、市民が借りられないという現象も。渡辺市長は「飲食店やパチンコ店まで避難者であふれ『働いていないのにサービスばかり受けている』という市民の不満がさらに大きくなるのが心配」と、板挟みの苦悩を吐露した。

 渡辺市長は「歴史・文化・気候の共通点が多く双葉郡の避難者受け入れは当然」とも語ったが、「仮の町」構想は善意では片付けられない問題をはらむ。同市も加わった形の制度設計協議を、平野復興相が約束したことについて「国の確約を得られたことは一歩前進」と一定の評価をした。【中尾卓英】



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120409-00000091-mai-soci
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[ 2012/04/09 22:23 ] その他 | TB(0) | CM(0)
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